梅雨直前。無量寺のアジサイが美しい花を咲かせたこの日、100名を超えるお客様にご来場いただき、毎年恒例の久留米落語長屋例会を開催しました。
末広がりでおめでたい第八回目の例会は、古今亭志ん橋師匠の独演会。さわかな芸風、庶民の情愛表現の緻密さ・豊かさに定評のある、“正統派古今亭”の継承者です。
今回の演目は『子ほめ』『風呂敷』『抜け雀』の三席。語り口や人物表現、全てが人情味にあふれ、聞き手の想像力で、無限に広がる落語の醍醐味を楽しませていただきました。
また、今回は特別出演として、寄席文字家の橘右太治師匠が書下ろしを実演。迫力ある文字とは対照的に、すっとなめらかな筆遣いに、お客様も驚きの表情。ゲンをかつぎ、横線を右肩上がりに引いたり、大入りの願いをこめて太線にするといった解説や、寄席文字の大家、橘右近師匠にまつわる楽しいお話もしてくださいました。
本当にありがとうございました。
■ 演目 ■
・落 語 『子ほめ』 古今亭 志ん橋
・落 語 『風呂敷』 古今亭 志ん橋
~ 中入り ~
・寄席文字 実 演 橘 右太治
・落 語 『抜け雀』 古今亭 志ん橋
古今亭 志ん橋 師匠 のプロフィール
1944年、東京都墨田区江東橋出身。63年、都立第四商業高校を卒業し、69年、古今亭志ん朝に入門。72年に「志ん太」で前座になる。75年に二ツ目、82年に真打昇進し、六代目古今亭志ん橋を襲名。76年第1回国立劇場花形演芸新人賞、78年日刊飛切落語会努力賞、86年に第2回台東区浅草演芸大賞新人賞、86年文化庁芸術祭賞団体賞などを受賞。古今亭の正統派を受け継ぐさわやかな芸風と、江戸風物への深い造詣から生まれる情感は出色。とくに庶民の情愛表現の緻密さと豊かさに定評がある。出囃子は「大拍子」。
橘右太治 師匠 のプロフィール
寄席文字の橘流を起こし、昭和の寄席の黄金期を寄席文字で支えた、橘右近師匠のお弟子さんです。