令和元年の師走(日)の柳亭燕路・こみち両師匠を迎えての夢の親子会は、大勢のお客様が詰めかけ“大入り”の親子会となりました。

 燕路師匠は当長屋へは2度目の来演で、今回は門下のこみち師匠との“夢の親子会”で再登場していただきました。

 幕開きに「片しゃぎり」の出ばやしで緞帳がスーと上がると、燕路師匠による柳亭こみちさんの真打昇進の口上披露という、なかなかお目にかかれないめずらしい場面にどよめき、恒例の三本締めの手拍子で客席の雰囲気がドーンと盛り上がりました。

 1席目は、こみち師匠の「応挙の幽霊」。お酒を飲んで酔っ払う幽霊が登場するまさかの展開と、小洒落て手馴れた唄を披露する幽霊の可愛さに会場も笑いの渦となります。

 2席目は、燕路師匠の「佐々木政談」。師匠の人懐っこい明るい表情が、利発な子供そのままの姿と重なっての名演に、会場は笑いの連続。

 ここで 仲入り

 3席目は、着物をがらりと変えたこみち師匠の女性落語家の本領発揮のネタ「そば清」。そばを食べる様がきれいで手際よく、拍手がおこります。誰かが、これはもう「そば清・こみち版」だと。一席のあとは「かっぽれ」の踊りを披露。手拍子もノリノリとなりました。

 4席目は、燕路師匠に、師走と言えばこのネタという「芝浜」をたっぷりと演じていただくと、お客さんはうっすらと瞼を濡らしての泣き笑い。

「夢になるといけねー」というサゲの通りに、いつまでも拍手が続いており、幕開きから追い出しまで思い出に残る寄席となりました。 
夢の親子会が“大入り”で実現し、夢に終わらなかった楽しい例会でした。