高座での開口一番はやわらかくゆっくりと歯切れの良いしっかりと噺をされれる口調は、先代の馬生師匠によく似ている。そしていつの間にか噺の中に引きこまれている。

一席目は「ざるや」を15分くらいで噺された後、
二席目は「品川心中」を(上)と(下)をたっぷりと1時間。
こんなことは、寄席では絶対に聴けない。有難いやら嬉しいやら。感謝。感謝。
最後の三席目は圓朝作の人情噺。「文七元結」。
何度聴いてもよくできた話で、片手にハンカチを持ち、涙を拭きながらしびれて聴き入った。

久しぶりにの人情噺。お客様もよい余韻を残されて会場を後にされたと思う。やはり落語は生がいい。

■ 演目 ■
 1.『ざるや』
 2.『品川心中』
 3.『文七元結』

番外編

馬生師匠を福岡空港に御迎えに上がったところ、ラフなお姿でサングラスに襟巻をされて、まるで映画俳優のようで、一瞬戸惑いました。