オーディオ機器が充実した今日、お囃子を生で聴けるのは、本場の寄席くらいのもの。
しかし、生のお囃子(ライブ)が鳴ると、寄席の雰囲気はいやがうえにも盛り上がります。
お囃子が持つ面白い意味と心的効果には、本当に驚かされます。

今回は、九州寄席囃子の会『小きぬ社中』さんにお越し頂き、生演奏をご披露いただきました。

開演前、普段はCDでお囃子のBGMを鳴らしていますが、今回はこちらも生演奏。
舞台袖から演奏が聞こえたとたん、開場中がざわざわ!鳥肌!やはり生の演奏は、身が引き締まります。

第一部は私たちの落語と色物を披露させて頂きました。生の出囃子に送られて高座へ上がる気分は感無量!また、落語の噺の中での“効果音”としてのお囃子
=「ハメモノ」の演奏も頂き、気分上々です!

第二部では、小きぬ社中の皆様にステージに上がって頂きました。

まずは其々の楽器の解説と、お囃子を通じての寄席の一日のご紹介です。

「お客様が沢山入りますように」 (一番太鼓)
「興行が無事成功しますように」 (二番太鼓)

そんな願いを込めて、木戸を開けるような音を、太鼓のふちの鋲をなぞった音で表現したり、「ドンドン、ドンと来い!」と言っているような音色を立てたりするそう。
時間に応じて、曲目が大方決まっているのも、面白いところです。

実演では、プロの噺家さん其々の出囃子や様々な効果音として噺を盛り上げる「ハメモノ」、洋楽のアレンジ曲もご披露いただきました。

やはり、生の演奏の迫力は凄まじく、心にずんずん響きます。お囃子は、寄席ムードを一気に高める、大きな存在である事を再確認しました。

普段は下座(げざ)と呼ばれ、舞台袖の客席から見えないところで演奏されますが、目の当たりにするのは、中々に貴重な機会だったのではないでしょうか。

ありがとうございました。

■ 演目 ■
・落 語 『代書屋』     風流亭 半丸
・落 語 『あくび指南』   笑っ亭 風太郎
・皿回し 『回る回るよ』   久栄亭 鶴波
・落 語 『こぶ弁慶』     蜜家 泡浮
中入り
・お囃子紹介、生演奏   九州寄席囃子の会
                  小きぬ社中